設定方法
 


付属のATSプラグインエディタ(AtsPluginEditor.exe)を起動します。
[ファイル(F)]→[開く(O)]またはドラッグアンドドロップでATSプラグイン設定ファイル(Ats.ini)を開きます。

※以前のバージョン(2〜4)の設定ファイルも編集できます。保存時にバージョン5形式で保存されます。


■ATS-SNの設定

ATS-SNを有効にする
 チェックをオンにすると、ATS-SNが動作するようになります。
 ※ATS-Psを有効にしている場合は強制的にチェックがオンになります。

車上タイマー速度照査
 チェックをオンにすると、108.5kHz地上子による車上タイマー速度照査(対:地上タイマー速度照査)が有効になります。
 このプラグインではATS-Psの第二パターン発生地上子により照査が行われます。
■車上タイマー速度照査
車上タイマー速度照査とは、108.5kHz地上子を2つ組み合わせた速度照査の方法です。
列車が二つの地上子の間を0.5秒以内に通過すると非常ブレーキが作動します。
※このプラグインでは照査速度を数字で設定します。
■地上タイマー速度照査
地上タイマー速度照査とは、列車検知コイルとSN直下地上子を組み合わせた速度照査の方法です。
列車が検知コイルに差し掛かってから0.5秒以内に直下地上子を通過すると非常ブレーキが作動します。
※このプラグインでは照査速度を数字で設定します。

警報ベルと持続チャイムを同時再生
 チェックをオンにすると、ATS警報作動時に警報ベル(Ats.wav)と持続チャイム(AtsCnt.wav)を同時に鳴らします。
 ATS確認ボタン押下で警報ベルのみ停止し、持続チャイム停止ボタン押下で持続チャイムを停止します。
 →詳細
これまではATS警報作動時にまず警報ベル(Ats.wav)を鳴らし、ATS確認ボタン押下後に持続チャイム(AtsCnt.wav)を鳴らすという形式だったため、警報ベルのサウンドファイルに持続チャイムの音も入れる必要がありました。
しかしそれだと警報ベルから持続チャイムに変わる時に自然につながらず、違和感がありました。
そこで、警報ベルから持続チャイムの音を除き、警報ベルのファイルには警報ベルの音のみ、持続チャイムのファイルには持続チャイムの音のみをいれるようにします。これによりATS確認時に違和感がなくなります。


■ATS-Psの設定

ATS-Psを有効にする
 チェックをオンにすると、ATS-Psが動作するようになります。

パターン計算用減速度
 ここで設定した減速度に基づいてブレーキパターンを作成します。非常ブレーキの減速度より少し低い値を設定します。

最高速度
 ATS-Psの最高速度(オレンジ色のLEDで表示されるバー)を設定します。車両の最高速度+10km/hの速度を設定します。

勾配補正計算機
 勾配補正時の地上子設置位置を計算するためのツールです。「路線の作成」の項目で説明します。


■ATS-Pの設定

ATS-Pを有効にする
 チェックをオンにすると、ATS-Pが動作するようになります。

パターン計算用減速度
 ここで設定した減速度に基づいてブレーキパターンを作成します。常用最大の減速度より少し低い値を設定します。

最高速度
 ATS-Pの最高速度制限を設定します。この速度を超えると常用最大ブレーキが作動します。
  (路線ファイルのPattern構文でも設定できます。)

自動空気ブレーキ車
 チェックをオンにすると、パターンに当たった時に常用ブレーキではなく非常ブレーキが作動します。
 自動空気ブレーキの車両では、込め不足防止のために非常ブレーキが作動します。


■ATCの設定

ATCを有効にする
 チェックをオンにすると、ATCが動作するようになります。

ATS-ATC切替
 手動切替・・・手動でATSとATCの切替を行います。
 自動切替・・・自動でATSとATCの切替が行われます。

ATC信号速度
 ATCが出す制限速度です。
 インデックス103〜インデックス112まで、合計10個設定できます。(インデックスについては「路線の作成」を参照。)

信号インデックス変更 
ATC信号として受け取る信号インデックスの値を変更します。
(通常、列車に0km/h信号を送信する場合は.Section構文の信号インデックスに”102”を設定しますが、0km/h信号を102とは別の信号インデックスで出したい場合、このボタンを押して信号インデックスを変更することができます。)


■TASCの設定 

TASCを有効にする
 チェックをオンにすると、TASCが動作するようになります。

パターン計算用減速度 1
 ここで設定した減速度に基づいてブレーキパターンを作成します。常用最大ブレーキの減速度を設定します。

パターン計算用減速度 2
 低速時、回生+空気ブレーキになった時の、常用最大ブレーキの減速度を設定します。

適用速度
 列車速度がここで設定した速度未満の場合は、上記「パターン計算用減速度 2」でパターンを計算します。

パターン計算用減速度 3
 低速時、空気ブレーキのみになった時の、常用最大ブレーキの減速度を設定します。

適用速度
 列車速度がここで設定した速度未満の場合は、上記「パターン計算用減速度 3」でパターンを計算します。
 適用減速度は、「適用減速度2>適用減速度3」になるように設定してください。

減速度補正 1〜4
上り勾配や下り勾配で常用最大ブレーキの減速度が変わる場合に、パターン計算用減速度と実際の減速度の差を補正する値(減速度の増減値)を設定します。
(例):駅の手前が下り勾配の場合、パターン計算用減速度で設定した減速度と実際の減速度に差がでてしまい(下り勾配なので常用最大ブレーキの減速度が落ちる)、パターンの計算が正しく出来ずに停止位置をオーバーしてしまう恐れがあります。
そこで、 下り勾配でどれだけ減速度が落ちるのかをプラグインに指示する必要があります。
減速度が0.5落ちると仮定した場合、減速度補正1の項目に「-0.5」と設定します。(反対に、上り勾配の場合は減速度が高くなるので、減速度補正値は正の値となります。)
なお、減速度補正値は4パターン設定でき、減速度補正1〜4の項目にそれぞれ設定します。
この減速度補正番号(1〜4)の適用方法は路線の作成内のTASC、「地上子を置く」を参照してください。
 
目標減速度(25km/h以下)
 25km/h以下でTASCブレーキが作動するときの減速度を設定します。
 (ここで設定した減速度を満たすブレーキノッチを自動選択してブレーキを開始します。)

目標減速度(55km/h以下)
 55km/h以下でTASCブレーキが作動するときの減速度を設定します。

目標減速度(其れより上)
 56km/h以上でTASCブレーキが作動するときの減速度を設定します。

ブレーキ開始のタイミング
 限々・・・停止位置で止まれるギリギリの位置からブレーキを掛け始めます。
 標準・・・限々の位置より25m手前からブレーキを掛け始めます。
 余裕・・・限々の位置より50m手前からブレーキを掛け始めます。

ブレーキ応答時間
 ブレーキ指令が出てからブレーキが動作するまでのタイムラグを設定します。

停止位置誤差許容範囲
 停止位置から前後どれだけずれても良いかを設定します。

※設定のヒント
1:列車の減速度の値は、基本的には「車両エディタ」で設定した減速度と同じですが、低速になって電制が停止したり空気ブレーキが作動すると減速度が変わります。その時の減速度を簡単に調べられるように、Panel2.cfgの設定で減速度の値を表示できるようにしています。詳細は「路線の作成」内の「減速度を調べる」を参照してください。
2:停止位置に正確に止まれない場合、パターン計算用減速度2、3の減速度、適用速度を調整すると、誤差を小さくできることがあります。3:ブレーキの応答、機敏性が悪い車両の場合は誤差が大きくなります。
4:すべての調整をしっかりと行えば±0.35m以内の停車が出来ます。


■その他の設定

EBを有効にする
 チェックをオンにすると、EBが動作するようになります。

ATS作動で非常ブレーキ
 チェックをオンにすると、EB作動時にATS-SNを作動させて非常ブレーキをかけます。(BVE2のEBと同じ動作)

ブレーキハンドルと連動してATS電源投入
 チェックをオンにすると、ブレーキハンドルを常用位置に持ってきた時に、自動でATS電源が投入されます。
 (路線ファイルでRoute.Changeが1に設定されている場合のみ。0または-1の場合は電源が投入された状態からスタートします。)

開始時に起動済みの保安装置
 ゲーム開始時に起動している保安装置です。
 ATS-SN(Ps)・・・「ATS電源」表示灯が点灯している状態になります。(Route.Changeが0または-1の場合)
 ATS-P・・・「ATS-P」表示灯が点灯している状態になります。(Route.Changeが-1の場合)
 ATC・・・「ATC」表示灯が点灯している状態になります。(Route.Changeが0または-1の場合)

誤通過防止
 駅が近づくと停車または通過を音で知らせる装置です。
 なし・・・装備しません。
 1回発音・・・停車または通過の警報を 1 回鳴らします。
 連続発音・・・停車の場合、ドアが開くまで警報を鳴らし続けます。通過の場合は鳴りません。
 
 

 キーアサイン
 
以前はキーアサインがプラグイン側で固定されていましたが、Ver2からは各装置のキーアサインを自由に設定できるようになりました。
また、操作されたくない装置はキーアサインを「無し」にすることでオフにできます。

■キーアサインの設定


各機能の動作は以下の通りです。
機能 概要
ATS確認 ATS警報確認を行います。(ブレーキ1または重なり以上+当キー)
ATS警報ベルが鳴り、「ATS動作」表示灯(赤色)が点灯した場合に操作します。
警報持続チャイム停止

警報持続チャイムを止めます。
列車が駅に停車するか、停止信号が現示アップするまで止めてはいけません。

ATS復帰 ATSが作動したときにリセットします。(ATS-SNの場合はブレーキ非常+当キー、
ATS-Pの場合は常用B作動の場合はブレーキ常用最大+当キー、 非常B作動の場合はブレーキ非常+当キー)
ATSによるブレーキが作動した場合に操作します。
EBリセット EB警報をリセットします。
EB警報が鳴り、EB警告灯が点灯した場合に操作します。
(EB警報はマスコン、ブレーキ、警笛の操作でもリセットできます。)
ATS-Pブレーキ開放 ATS-Pによるブレーキを1分間動作させなくします。「ブレーキ開放」表示灯が点灯します。
信号機故障や無閉塞運転を行う場合でブレーキを動作させたくない場合などに使用します。
ATS-P開放
(定位⇔開放)
ATS-Pの全機能を停止します。ATS-SNが起動します。
ATS-P故障や信号機故障など、ATSが誤作動する可能性のある場合などに使用します。
ATS切換連動
(定位⇔短絡)(P⇔S)
ATS-P路線を走行する場合にATS-SNを休止せずにS/P併用とします。拠点P方式のATS-Pです。
JR東日本では常に定位(全線P方式)です。JR西日本では路線によって切り替えています。
ATS-Psブレーキ開放 ATS-Psによるブレーキを1分間動作させなくします。「ブレーキ開放」表示灯が点灯します。
信号機故障や無閉塞運転を行う場合でブレーキを動作させたくない場合などに使用します。
ATS-Ps開放
(定位⇔開放)
ATS-Psの全機能を停止しATS-SNの機能のみ有効になります。
ATS-Ps故障やATS-Ps工事中など、ATSが誤作動する可能性のある場合などに使用します。
ATC非常運転
(OFF⇔非常)
15km/h制限(インデックス103に設定した速度)で運転します。
0km/h信号、×信号で運転しなければならないときに使用します。
ATC開放
(定位⇔開放)
ATCによるブレーキを動作させなくします。
逆線運転などでATCが正常に使用できない場合に使用します。
TASC開放
(定位⇔開放) 
TASCによるブレーキを動作させなくします。
手動運転、または停止位置修正の場合に使用します。
ATC→ATSに切替 ATCからATSに切り替えます。(ATCとATSを搭載している車両の場合)
ATS→ATCに切替 ATSからATCに切り替えます。(ATCとATSを搭載している車両の場合)
ATS電源NFB
(ON⇔OFF)
ATS電源を手動で投入します。
「ブレーキハンドルと連動してATS電源投入」がオンになっている場合は操作無効です。

 
 

 車両ファイルの設定方法
 
■ファイルの設置方法
BVE4
  └Train
    └(車両フォルダ)
         ├Ats.dll
         └Ats.ini

Ats.dllとAts.iniは同じフォルダに置いてください。
プラグイン本体(Ats.dll)の名前を変更した場合、設定ファイル(Ats.ini)の名前も同じように変更してください。
(例:AtsE231.dllと変更した場合は、AtsE231.iniと名前を変更する)

■ATSプラグインから出力される値(Panel2.cfgで設定)
  キー 内容 詳細
ATS-SN ats0 ATS白色灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats1 ATS赤色灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ATS-Ps ats35 パターン発生表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats36 パターン接近表示灯(ATS-Ps) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats37 ブレーキ動作表示灯(ATS-Ps) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats38 ブレーキ開放表示灯(ATS-Ps) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats39 Ps故障表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats40 列車速度LED [DigitalNumber]で設定(0〜60)
ats41 パターン速度LED [DigitalNumber]で設定(0〜60)
ats42 主系・従系表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ATS-P ats2 P電源表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats3 パターン接近表示灯(ATS-P) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats4 ブレーキ開放表示灯(ATS-P) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats5 ブレーキ動作表示灯(ATS-P) [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats6 ATS-P表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats7 故障表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ATC ats15 ATC表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats16 ATC常用表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats17 ATC非常表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats18 ATC電源表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats19 非常運転表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats20 ATC開放表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats21 ATC-ATS切替信号表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats22 ATC信号「X」表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats23 ATC信号「0」表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats24 ATC信号インデックス103表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats25 ATC信号インデックス104表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats26 ATC信号インデックス105表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats27 ATC信号インデックス106表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats28 ATC信号インデックス107表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats29 ATC信号インデックス108表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats30 ATC信号インデックス109表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats31 ATC信号インデックス110表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats32 ATC信号インデックス111表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats33 ATC信号インデックス112表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
TASC ats80 TASC電源表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats81 TASCパターン表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats82 TASCブレーキ表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats83 TASC切表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats85 定位置表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats86 車両ドア全閉表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats87 ホームドア全閉表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats90 TASCブレーキノッチ [DigitalNumber]で設定(0〜8)
その他 ats8 EB表示灯 [PilotLamp]で設定(点灯:true)
ats10 デジタル時計(時) [DigitalNumber]で設定(0〜23)
ats11 デジタル時計(分) [DigitalNumber]で設定(0〜59)
ats12 デジタル時計(秒) [DigitalNumber]で設定(0〜59)
スイッチ類 ats50 ATS-P開放スイッチ [PilotLamp]で設定(開放:true)
ats51 ATS切換連動スイッチ [PilotLamp]で設定(短絡/S:true)
ats52 ATC非常運転スイッチ [PilotLamp]で設定(非常運転:true)
ats53 ATC開放スイッチ [PilotLamp]で設定(開放:true)
ats54 ATS-Ps開放スイッチ [PilotLamp]で設定(開放:true)
ats56 TASC開放スイッチ [PilotLamp]で設定(開放:true)

■ATSプラグインから出力される値(Sound.cfgで設定)
キー 内容 再生方式
0 ATS警報ベル ループ再生
1 警報持続チャイム ループ再生
2 ATS-Pベル 1回再生
3 ATS-Psパターン発生音声 1回再生
4 ATS-Psパターン終了音声 1回再生
5 ATS-Psチャイム 1回再生
7 ATCベル 1回再生
8 ATC→ATS切替時音声 1回再生
9 ATS→ATC切替時音声 1回再生
10 ATC→ATS切替要請音声 ループ再生
11 ATS→ATC切替要請音声 ループ再生
13 EB警報 ループ再生
14 誤通過防止:停車 1回再生/ループ再生
15 誤通過防止:通過 1回再生
 
 

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